びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第4話 2014年7月16日掲載

 

闇に小鮎の群れを追う

今年も琵琶湖の小鮎が少ない!!
毎日必死で小鮎を追いかけ、気づくと7月。小鮎漁はそろそろ終盤戦です。うちの家は小鮎で1年の生計を立てていると言っても過言でないほど、琵琶湖の漁師にとって小鮎は重要です。僕はいつも昼間にウロウロしたり、洗車したりしてます。たぶん「自称漁師のニート」だと思われてるので、少しだけ言い訳をしたいと思います(笑)。僕はこの時期は夜中に漁に出ています!なんで夜中か?朝、魚屋さんでとれたての鮎を買っていただくためです。

23時ごろに船を出し、真っ暗な琵琶湖をウロウロ魚群探知機をかけ小鮎の群れを探します。探知機がピピピピッと赤くなったらチャンス到来!!その小鮎たちが泳いでいる深さにあわせて網を落としていきます。琵琶湖の中に大きな網のカーテンを仕掛けるようなイメージです。泳いできた鮎の群れは、その大きなカーテンに無数に刺さります!だから刺し網漁と言うんですねぇ。泳いでいる場所や深さは毎日変わるので、毎日小鮎と僕の追いかけっこ。あまり早く網を入れると魚が早く弱ってしまうので網を入れ始めるのは午前0時過ぎてからです。朝6時頃には出荷の準備。毎日リセット、数時間の勝負です。

夜中の漁。船のライトを消すと空は暗い青。月明かりで竹生島がぽっかり、空と黒い琵琶湖の間に浮かび上がる。満月の夜は小鮎が網にかかりません。明るくて網が見えてるんじゃないかな?って思ってしまうくらいに満月の夜の琵琶湖は静かで明るいのです。

文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ