魚から学ぶ地域の魅力
コチコチプロジェクトが始まりました。湖地考知と書きます。農家、漁師、料理人……、生産者が地域の魅力を発掘し発信する活動です。第一弾として先日、田んぼの生き物調査と琵琶湖での地引網体験をしました。参加した親子は80人。お昼にはとった魚を味わいます。
まず田んぼへ。ちびっ子たちは虫取り網を手に田んぼの水路に並んで、水中に目を凝らします。今回はスナヤツメやカネヒラなど20種類の魚や虫が捕れました。次は、お昼ご飯を捕まえに琵琶湖へ。浜では滋賀各地からの漁師仲間が迎えてくれました。地引網をやりますよ~って説明するそばで、ちびっ子たちはさっそく石ころ投げ大会。魚が逃げても知らないぞぉと思いつつ、ほほえましくて、やめましょうとも言えず……(笑)。
沖合150㍍まで船で出て、地引網を仕掛け皆で力を合わせてロープを引く。網が近づくとソワソワ。網に入っている魚に大興奮! 恐る恐るちょんちょん触る子、小さな手で魚をわしづかみにし、やったぜ!と親に見せるワイルドな子。ウグイ、ヒガイ、ブラックバス……捕れた魚は種類ごとに分け、空揚げにして食べました。本当に美味しかった。たくさんの方の協力でこどもの笑顔あふれる一日となりました。
魚離れと言われますが、触れ合う機会がないのに魚に興味がわくはずがないんです。大きくなった時、あの日琵琶湖の魚を食べた、素手で触ったという経験が必ずどこかで生きる。今回携わった僕も農家も料理人も、そこで生きているからこそ伝えられる、心からの言葉や思いがあると思うんです。
文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ