びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第6話 2014年9月17日掲載

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

琵琶湖の至宝 色づく秋

急に朝晩は肌寒いくらいになりましたね! 寒がりのおいらは早々と毛布にくるまって寝ています。琵琶湖の魚たちも水温や日照時間の変化を受け取ってすっかり秋モードです。

今回は琵琶湖の宝ビワマスについて。

世界中でここにしかいないサケのような魚です。川で生まれ、湖に下り、回遊しながら数年かけて大きくなり、生まれた川に戻り産卵して命を終えます。深い所を回遊し、昔の漁具ではなかなか捕まらなかったので幻の魚と言われていたようです。漁網や魚探知機が発達した今でもビワマスの刺し網は縦5㍍、横幅35㍍もあります。大きいものは60㌢を超え、重さは4㌔にもなります。
旬は初夏。秋、産卵期が近づいてくるとオスは体が黒っぽくなり、鼻が曲がって攻撃的で強そうな顔に。メスはふんわりした体、つぶらな瞳の優しい顔になります。子を思う父は強く、子を思う母は優しい。

淡水魚をあまり良く思わない方は「なんだマスか」と言われます。でも、ビワマスもニジマスも刺し身は本当においしい。なんでサケはよくてマスはあかんのか……と思います。そもそもサケとマスの違いについて、生物学的な定義ってあるのかな? よくお刺し身で売っている「サーモントラウト」。日本語に直すと「サケマス」です。なんだそりゃ!

ぜひ、天然ビワマスの刺し身を食べて下さい! サーモンと違いコテコテの脂ではなく、濃厚なうまみがある。本当にオススメの一品です。

文 / 中村清作