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よく冷えます

この辺りにしては珍しい、信州で降るようなサラッサラの粉雪が積もりました。7〜80cmといったところでしょうか、屋根がカマボコみたいになってます。この位の雪は豪雪地域のこの辺りでは普通なのですが、よく冷える年は逆にあまり降らないことが多いんです。そんな年は普段あまり降らない所で降ったりします。今年はまさにそんなパターン。雪カキがいつもより楽な分、冷え過ぎて朝方マイナス10℃を越えたりするので水道管が破裂し、うちも先日破裂しました。どちらにしても冬は厳しい地域です(笑)。


 

 

あ、あの~おくつろぎのところ誠に申し訳ないのですが…

「 あ、あの~おくつろぎのところ誠に申し訳ないのですが、レ、レンズ交換をさせて頂いても宜しいでしょうか… 」

今から約3年半ほど前にびわ湖漁師の中村くんとの新聞コラムがスタートすることになり、その記事の写真を撮影しに初めて海津の作業場に行った時のこと、
現場に着いて細い路地を抜けると目の前にびわ湖がドーンと広がっていて、「わぁ〜!」と、荷物を置いてしばしびわ湖に見惚れたのち、そやそや写真撮りに来たんや!と我にかえりレンズを交換しようと振り返ると…えっ!カ、カメラバックが野良ネコ山のようになってる…(驚)。

いったい何処からこんなに? いつの間に? そして何故バックの上に??? ゆっくり近づいても退く気配はなく、丁重にお願いしても全く聞きいれてもらえず、シ、シゴトが出来ない…と思い恐る恐る強制退去して頂きました。その後も一瞬、ウ、ウサギ…?みたいなコに出会ったりと、記念すべき初回の取材は、漁師町の海津ネコさまの洗礼を受けてのスタートとなりました(笑)

中村くんと取材した写真を洗い出すことになったので、新聞には載らなかった面白そうな写真が出てきましたら、また紹介できたらと思います!

 

 

阿波の国とくしま、神山、そして淡路へ

先週は大学の外部講師でお声がけいただき、阿波の国とくしまに行ってきました。

渦潮は随分昔に祖母とふたりで船から見たことがあったのですが、今回は鳴門海峡に架かる高速道路のすぐ下を歩いて橋の上から見てみることに。展望用通路には所々に1m角くらいのガラスが敷かれていて、その上に乗って真上から渦潮を見ることが出来ます。50mくらいの高さから渦潮の動く様を眺めていると、祖母と見た時の記憶と重なってなんだか不思議な感覚になりました。

講義の終わった翌日は、勝手に師匠と呼ばせてもらっている(笑)西村さん(リビングワールド代表、プランニング・ディレクター、働き方研究家。HP)と友人に会いに神山町へ。先進的な取り組みをしている町だけあって、「かま屋」という様々な活動と共に地産地食を進めるオシャレな食堂&パン屋さんや、かなり奥山にある「カフェブロンプトンデポ」という素敵なご夫婦がされているカフェ、その隣にある「こんまい屋」という名前通りのかわいい苔庭のお店、その他にも沢山あってとてもとても1日では足りません。

そして神山に入ってすぐに思ったのが、町を流れる鮎喰川の水の美しさ!僕の住んでいる高島市朽木も湧水が豊富で綺麗なところなのですが、鮎喰川の水はなんというか…青い。スカイブルーのような透明感のある青い水に心奪われてしまい、水好きの私はいてもたってもいられず、待ち合わせの時間まで滝廻りをすることに。

「雨乞の滝」と「神通滝」の2つを廻ってきたのですが、どちらとも高さと水量もあるそれは美しい滝で、滝壺で写真を撮っているとシャワーのような風であっという間に全身べしょべしょに。四国の山間部は陽が沈むのも早く、薄暗くなってきた森の中を、ズブ濡れの身体で下山してきました(笑)

その翌日は葉っぱビジネスやゼロ・ウェイストで有名な上勝町を少し見に行き、素敵な料理家のどいさんと友人に会いに淡路島へ渡り、「ノマド村」という廃校をリノベーションしたアート拠点と、「Neki」という額縁とカフェのお店に伺い帰ってきました。

なかなか四国や淡路に行く機会は少ないのですが、いざ行くといいとこやなぁ〜としみじみ実感するのが四国や淡路。もっともっと行きたいなぁ〜と改めて思った次第です!

  
 

 

               

     

 

 

               

               

 

               

 

               

             

 

             

 

可愛いお客さま

お陰さまで福知山での写真展を無事に終了させて頂きました!今回も多くの方にご来場頂き、遠くからは富山や岐阜などからも来て下さり、もうなんというか感謝しかございません!

会期中はいつも写真を撮ることがなかなか出来ないのですが、運良くゆっくりした時間帯に可愛いお客さまが来てくれました♡また、おむすび講習会も盛況で、皆さん真剣に初女さんのおむすびを学んでおられました。

台風の影響もほとんど無く無事に終われましたこと、主催頂きました穀力の会の皆さま、様々なご協力を頂きました皆さま、そしてご来場頂きました皆さま、本当にありがとうございました。

 

 

          

          

          

          

          

          

          

          

写真展のご案内 @ 福知山

秋かおる京都北部の福知山で、10月25日(水)〜29日(日)まで、長年初女さんの講演会などを主催してこられた” 穀力の会 ”の皆さんと『 今も、私たちと共に生きつづける 初女さんに会う 』と題した写真展をさせて頂きます。

佐藤初女さんのことを知らない方も、知っている方も、写真展を通して初女さんのことをもっと知ってみたい…(例えば、文庫本読んでみようかな…みたいに)と思ってもらえるような、出会いの場になれたらと思っています。

関連イベントとして27日・28日・29日には、おむすび講習会とアーティストトークもあります。おむすび講習会はいつもすぐに予約が定員になりますので、ご予約はどうぞお早めに!

今回も会期中は全日在廊していますので、少しでも初女さんの空気を感じてもらえるように、ご来場頂いた皆さんと直接お話出来たらと思っています。福知山や宮津、綾部や笹山の散策と合わせて、ぜひ遊びにいらして下さいね(^-^)/

◉日時:2017年10月25日(水)〜29日(日)

◉時間:10:00〜18:00

◉会場:市民交流プラザふくちやま 3Fギャラリー(JR福知山駅隣接)
京都府福知山市駅前町400(Tel)0773-22-9551

◉催し:
『 おむすび講習会 』
初女さんのおむすびの心を受け継いだ講師の方から、初女さんのおむすびの作り方を教わる講習会です。おむすびをつくった後、ご用意したお味噌汁とともに、皆さんと一緒に頂きます。
・日 時 / 10月27日・28日・29日の11:00〜13:00
・参加費 / 2,000円(おむすびの他にお味噌汁付き)
・定 員 / 各回25名 *要予約
・会 場 / 同館4Fクッキングルーム

『 アーティストトーク 』
プロジェクターを使って、撮影時の初女先生の様子や、印象的なエピソードなどをお話させて頂きます。
・日 時 / 10月27日・28日・29日の13:00〜14:00
・参加費 / 無料(お申込み不要)
・定 員 / なし
・会 場 / 同館4F和室

◉ご予約・お問い合わせ
主催 / 穀力の会
連絡先 /
西村佳子(090-1597-6303)
西村美朝子(080-2417-6032)
道下伊砂江(090-8984-5404)

◉DM表
◉DM裏

Reborn

本日よりホームページを再開いたしました。

少し前にウイルスによる攻撃で突然ホームページが表示されなくなり、バックアップによる修復もできないという血の気のひくような経験を致しまして、この度ようやくリニューアルし再開することが出来ました。ページが表示されない期間に訪れて頂いた方には本当に申し訳ございませんでした。

前回は友人にホームページを作成してもらい、管理は私自身がするというスタイルだったのですが、ホームページの仕組みやシステムを全く理解せぬまま、ちゃんとした管理が出来てなかったが故に、その隙をつかれてウイルスの攻撃を受けたということもあり、今回は少しでも仕組みを理解する為に、ホームページ制作にもチャレンジしてみました。

で、す、が、アナログ人間の私にとってかなり無謀なチャレンジだったようでして、一体なんの意味なのかさっぱり分からず一歩も前に進まないことの連続だったり、デザイン的にも妥協しないといけないことも多く、ザ・フラストレーション募るばかりでしたが(笑)、なんとか公開までたどり着くことができて本当にホッとしております。

とはいえまだまだ分からないことだらけですので、見にくい部分や不具合があるかもしれませんが、少しずつ改良を加えていきたいと思いますので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します!

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第10話 2015年1月28日掲載

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

凍る氷魚漁 暗闇の静と動
 
琵琶湖は鮎の稚魚、氷魚の季節です。とれ始めた!とのことで、野洲でエリ漁をする「兄貴」のもとへ行ってきました。
 
写真家のオザキさんと夜のドライブ。午前3時半に港で兄貴と合流、いざ出航!真っ暗闇の湖上は厳寒、光が反射しないためほとんど何も見えません。凍てつく船はつるつるで、よく滑ります。湖にはまると本当に命にかかわる話です。
 
15分ほど走り、チカチカ赤く光るランプに近づいたと思ったその時、ライトに照らされてエリの黒いポールの列が浮かび上がりました。間隔も高さもビシッとそろい、間につけた網はピン!と張っている。きれい。兄貴が琵琶湖でも漁獲量上位なのはやることをやっているから。
 
兄貴は1人で別の小舟に乗り込み流れるような作業でドンドン網を上げる。たくさんの魚が見えてきて「水族館みたい!」と喜ぶ僕とオザキさん(笑)。兄貴は4種類のたも網とザルを使い分け魚を少しずつすくいあげる。目の前に何十㌔と泳いでいるのに、とてもすばやくとても丁寧に。魚を傷めず、ゴミや違う魚が混ざらないための工夫です。
 
氷魚はとても繊細で、少し無理をしたりモタモタしたりしているとすぐに死んでしまいます。船から身を乗り出し、ザルで1㌔くらいずつエリからとりあげ、クルッ!と振り向き、船の大きな水槽の前でピタッ!と体を止め少しずつ移していく。その繰り返し。まさに静と動。
 
気温は氷点下なのに兄貴の体からは湯気が立ちあがり、声もかけられない空気になっていた。魚をとるだけが漁師じゃない。良い魚をみなに食べてもらいたいんやと兄貴の背中から聞こえてきた気がしました。
  
文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第10話 2015年1月7日掲載


 
鮒味噌 湖北の冬の妙味
 
あけましておめでとうございます。年末年始、どうお過ごしでしたか? ぼくは大晦日まで、いつもお世話になっている長浜市の淡水魚専門店で売り子さんをしていました。ここで過ごす一日一日が実におもしろい。この季節は子持ちの鮒がとてもおいしく、たくさんの方が買いに来られます。どうやって食べるん?と聞くと、鯉の煮付みたいに醬油で炊く人もいれば、「鮒味噌」といって味噌で炊く人もいます。

「鮒味噌」は湖北の冬の味です。知ってたらなかなかの湖魚マニア。あっさり炊いて身をほじくって食べる人もいれば、番茶やほうじ茶でコトコト骨まで柔らかく炊き、味噌・砂糖・酒を加えてさらに姿がなくなるまで煮る人もいます。調べてみると、元々は岐阜県や愛知県の郷土料理。どんなものなのか岐阜県の魚屋さんまで買いに行ってきました! 岐阜県はやはり赤味噌でした。隣の長浜では赤味噌派と普通の味噌派がいます。各家庭で味も作り方も全然違うんです。まとめて炊いて、ご近所さんに「おいしく炊けたよ」って配るのが定番。きっと「おいしかったわ! どうやって炊いてるん?」の一言がうれしいからだと思う。

「みな喜んでくれたわ! 全部配ってしまって自分のがなくなってしもたし、また買いに来た!」って聞くと、漁師として心からありがとうって思う。ぼくたち漁師は魚を捕るだけやと食べる人と気持ちが離れてしまうけど、お客さんの喜ぶ顔やありがとうの一言で「こんなに必要とされてたんや」と気付く。今年もがんばるぞ!  
  
文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ
 

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第9話 2014年11月26日掲載

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

超一級品 親父の手作り網
 
船を走らせると湖上はもう冬。僕の船にはキャビンがないので寒いのなんのって……。いよいよ小鮎漁の始まりがちかづき漁師たちはそわそわしてます。さてきょうは網の話を少し。
 
北風がよく吹くこの季節、漁に出られないときは網の掃除や修理をします。僕とオカンは網掃除、親父はひたすら部屋にこもって網を仕立てます。漁法や魚の種類・大きさによって本当にたくさんの種類の網が必要で、うちは網用に倉庫を3カ所も借りています。
 
おじいちゃんが使っていた網も修理してまだ使っています。ひどく傷んだり、違うサイズが必要になったたりした時は親父が作ります。網の真ん中のふわふわの部分に、上のロープと重りが入った下のロープをコツコツ縫いあわせます。
 
急ぐ時は網屋に作り方を指定して仕上げてもらうこともできるのですが、網屋がミシンで縫った網は、親父が自分の手で何日もかけて作った網と比べると魚のかかりが全然違います。ふわふわ部分は既製品で同じなのですが、上下のロープを縫い合わせるのに手と機械ではほんのわずかな違いがあり、そのほんのわずかな違いで網目がきれいなひし形にならず魚がかかりません。漁師によっても作り方や糸の太さ、種類が違い、魚のかかりが全然違います。
 
おじいちゃんから受け継いだ技と、毎日琵琶湖に出て感じるコトや変化を少しずつ反映させてできた親父特製の網。超一級品です。たまぁに引っ掛けて破れたりすると、やってもうた!っと冷や汗が出ます(笑)
  
文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ
 

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第8話 2014年11月5日掲載


 
魚から学ぶ地域の魅力

コチコチプロジェクトが始まりました。湖地考知と書きます。農家、漁師、料理人……、生産者が地域の魅力を発掘し発信する活動です。第一弾として先日、田んぼの生き物調査と琵琶湖での地引網体験をしました。参加した親子は80人。お昼にはとった魚を味わいます。

まず田んぼへ。ちびっ子たちは虫取り網を手に田んぼの水路に並んで、水中に目を凝らします。今回はスナヤツメやカネヒラなど20種類の魚や虫が捕れました。次は、お昼ご飯を捕まえに琵琶湖へ。浜では滋賀各地からの漁師仲間が迎えてくれました。地引網をやりますよ~って説明するそばで、ちびっ子たちはさっそく石ころ投げ大会。魚が逃げても知らないぞぉと思いつつ、ほほえましくて、やめましょうとも言えず……(笑)。

沖合150㍍まで船で出て、地引網を仕掛け皆で力を合わせてロープを引く。網が近づくとソワソワ。網に入っている魚に大興奮! 恐る恐るちょんちょん触る子、小さな手で魚をわしづかみにし、やったぜ!と親に見せるワイルドな子。ウグイ、ヒガイ、ブラックバス……捕れた魚は種類ごとに分け、空揚げにして食べました。本当に美味しかった。たくさんの方の協力でこどもの笑顔あふれる一日となりました。

魚離れと言われますが、触れ合う機会がないのに魚に興味がわくはずがないんです。大きくなった時、あの日琵琶湖の魚を食べた、素手で触ったという経験が必ずどこかで生きる。今回携わった僕も農家も料理人も、そこで生きているからこそ伝えられる、心からの言葉や思いがあると思うんです。

文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第7話 2014年10月15日掲載


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

オフシーズンは網の修理

10月の琵琶湖は小鮎もビワマスも禁漁期。少しのんびりした季節です。小鮎が解禁になると、漁師はバタバタと忙しくなるのでちょっくら充電中。でも、ワカサギ・エビ・シジミなどが毎日琵琶湖から水揚げされているので、お店で見かけた時はぜひ食べてください。「売れる=必要とされる」。漁師にも魚屋さんにもすごく大切なことです。

海とちがってかなり狭い範囲で取引される琵琶湖の魚は、消費者からの声が漁師にダイレクトに伝わります。「お店でよく売れてる」「あまり売れない」。僕たち漁師はみなさんの声(選択)を聞き耳をたててしっかりと聞いています!

さて、琵琶湖にたくさんの黒いポールが立っているのをご存じですか?
よく「養殖用?」と聞かれますが、あれは「エリ」と言いまして、魚をとるための小型定置網漁のひとつです。空から見ると矢印の形です。魚は何かにぶつかるとそれに沿って移動する、その習性を利用し、袋小路に誘います。棒の間に網がはってあり、逃げることができません。小鮎・鰻・エビ・モロコ、このへんを泳いでる魚はなんでもかかってこい!の琵琶湖漁業を代表する万能君です。

エリ漁師さんはオフシーズンの今、何をしているのか?エリを三つ持つ先輩のところへ行くと、破れたり穴が開いたりした網の修理中でした。たったひとりで長さ延べ数㎞もの網を針一本で直す。いつもは湖上でバリバリの兄貴のゴツイ手が、いま陸上ですばやく繊細に網をつくろっている。その網が今年もまた琵琶湖に入ります。

文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第6話 2014年9月17日掲載

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 
 
 
 
 
 
 
 

琵琶湖の至宝 色づく秋

急に朝晩は肌寒いくらいになりましたね! 寒がりのおいらは早々と毛布にくるまって寝ています。琵琶湖の魚たちも水温や日照時間の変化を受け取ってすっかり秋モードです。

今回は琵琶湖の宝ビワマスについて。

世界中でここにしかいないサケのような魚です。川で生まれ、湖に下り、回遊しながら数年かけて大きくなり、生まれた川に戻り産卵して命を終えます。深い所を回遊し、昔の漁具ではなかなか捕まらなかったので幻の魚と言われていたようです。漁網や魚探知機が発達した今でもビワマスの刺し網は縦5㍍、横幅35㍍もあります。大きいものは60㌢を超え、重さは4㌔にもなります。
旬は初夏。秋、産卵期が近づいてくるとオスは体が黒っぽくなり、鼻が曲がって攻撃的で強そうな顔に。メスはふんわりした体、つぶらな瞳の優しい顔になります。子を思う父は強く、子を思う母は優しい。

淡水魚をあまり良く思わない方は「なんだマスか」と言われます。でも、ビワマスもニジマスも刺し身は本当においしい。なんでサケはよくてマスはあかんのか……と思います。そもそもサケとマスの違いについて、生物学的な定義ってあるのかな? よくお刺し身で売っている「サーモントラウト」。日本語に直すと「サケマス」です。なんだそりゃ!

ぜひ、天然ビワマスの刺し身を食べて下さい! サーモンと違いコテコテの脂ではなく、濃厚なうまみがある。本当にオススメの一品です。

文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第5話 2014年8月13日掲載

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

漁法で変わる小鮎の味

琵琶湖を代表する魚といえば小鮎。川とはえさが違うため大きくなりません。小さいまま川へ上がり産卵し、死んでしまう。そのため「年魚」とも呼びます。スーパーなど店頭に並ぶ小鮎のラベルに「小鮎(小糸漁)」「小鮎(えり漁)」「小鮎(すくい漁)」と書かれているのを見たことがありませんか?なぜ漁法まで書くか?同じ琵琶湖産でも漁法で味や特徴が変わるんです。

小糸漁は刺し網での漁。魚に網に引っかかっていた傷があり、背の色は少し茶色っぽい。柔らかく苦みが少ないです。えり漁は湖の仕掛けに魚を追い込みます。少し固めに綺麗に炊き上がるので、かっこ良い佃煮の進物ができます。背は真っ黒で魚がシャキーン!としてます。すくい漁の魚は、見た目はえり漁に似ていますが、佃煮にするとすごい脂が出る。

柔らかくあまり苦くない小鮎が欲しければ小糸漁を。綺麗に炊きたい時やほろ苦いのが好きな方はえり漁を。少しくらいほろ苦くてもよく、すぐ炊く人はすくい漁を選ぶと良いと思います。
僕の家は小糸漁専門。背が黒くないので鮮度が悪いと誤解されますが、夜中に網を上げると魚はまだ生きています。でも、えり漁の小鮎よりはデリケート。なるべく早く買い早く炊いてください。

僕の捕った小鮎には長浜市の淡水魚店で出会えます。店頭には毎日、漁法やサイズの違う小鮎が数種類並びます。この時期は僕も配達ついでにお手伝いしています。ぜひとれたて湖魚と中村を見に来て下さい!

文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第4話 2014年7月16日掲載


 
闇に小鮎の群れを追う

今年も琵琶湖の小鮎が少ない!!
毎日必死で小鮎を追いかけ、気づくと7月。小鮎漁はそろそろ終盤戦です。うちの家は小鮎で1年の生計を立てていると言っても過言でないほど、琵琶湖の漁師にとって小鮎は重要です。僕はいつも昼間にウロウロしたり、洗車したりしてます。たぶん「自称漁師のニート」だと思われてるので、少しだけ言い訳をしたいと思います(笑)。僕はこの時期は夜中に漁に出ています!なんで夜中か?朝、魚屋さんでとれたての鮎を買っていただくためです。

23時ごろに船を出し、真っ暗な琵琶湖をウロウロ魚群探知機をかけ小鮎の群れを探します。探知機がピピピピッと赤くなったらチャンス到来!!その小鮎たちが泳いでいる深さにあわせて網を落としていきます。琵琶湖の中に大きな網のカーテンを仕掛けるようなイメージです。泳いできた鮎の群れは、その大きなカーテンに無数に刺さります!だから刺し網漁と言うんですねぇ。泳いでいる場所や深さは毎日変わるので、毎日小鮎と僕の追いかけっこ。あまり早く網を入れると魚が早く弱ってしまうので網を入れ始めるのは午前0時過ぎてからです。朝6時頃には出荷の準備。毎日リセット、数時間の勝負です。

夜中の漁。船のライトを消すと空は暗い青。月明かりで竹生島がぽっかり、空と黒い琵琶湖の間に浮かび上がる。満月の夜は小鮎が網にかかりません。明るくて網が見えてるんじゃないかな?って思ってしまうくらいに満月の夜の琵琶湖は静かで明るいのです。

文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ

びわ湖漁師 中村清作 新聞コラム第3話 2014年5月28日掲載


 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  
 

魚のオアシスこっちだよ

僕は小さい頃、農家が好きではありませんでした(おいら馬鹿正直)。田んぼは泥で濁った水を湖にジャージャー流す悪い所って思い込んでいました。でも、漁業を始めて、湖の魚が田んぼにすっごい助けられていることを知りました。田んぼに数匹のふなを放すと1万匹以上の稚魚が産まれ、微生物や虫を食べ、一定の大きさになると湖へ戻る。田んぼは、産卵寸前の魚達が流れの速い川を懸命に上がり、やっとの思いでたどり着くオアシス。子どもを育てる最高の環境なんです。

な・の・に!今は魚が自力で田んぼに入れない! 圃場整備で自然が自然ではなくなり、水路と田んぼにできた高低差で魚がヒョイッと入れなくなった。もう一度魚が安心して生まれる田んぼにと、自力で木で魚道をつくってがんばっている「たかしま有機農法研究会」の梅村泰彦さんの田んぼへ行きました。

うちのふなずしは、ふなやナマズが泳ぎ回る梅村さんの田んぼでとれるお米で漬けます。「田で生まれ育ち湖にかえったふなが、田で育った米とまた一緒になる」、そんなコラボふなずしなんです。梅村さんは、除草剤を使わずほぼ毎日草刈りに出ていてムキムキマッチョ。「雨が降って田んぼの水が出るとここを魚があがってくるねんなぁ」と教わりながら、傷んだ魚道をとりかえ、新しい魚道を固定する杭を二人で打ちました。そりゃあ濁水は流れないのが一番よい。でも、雨が降ったら水は流れる。その水を待ってました!とお腹にたくさんの生命を抱えながら必死で上がる魚たち。「こっちだよ」と温かく迎えてくれる農家さんたちに、心から感謝したい。

文 / 中村清作
写真 / オザキマサキ